大阪関西万博が不動産市場に与える影響とは?投資チャンスを探る【後編】

前編では大阪関西万博が不動産市場に与える影響や、注意すべきリスクについて解説しました。
こうしたリスクは無視できませんが、適切な戦略を取れば、大阪万博は大きな投資チャンスを提供する場にもなり得ます。
後編ではこのようなリスクの回避戦略と、大阪のおすすめエリアについて解説していきます。
万博終了後も続くエリアの成長を見極める
大阪関西万博は一時的なイベントではありますが、万博に向けてのインフラ整備や都市再開発は、万博終了後も地域の発展に寄与します。
短期的な投資利益だけを狙うのではなく、長期的な成長が見込めるエリアに投資することが、成功の鍵となるでしょう。
長期的成長が見込めるエリア
万博終了後も、成長が見込まれるエリアを紹介します。
1.成長が期待されるエリア 「夢洲(ゆめしま)」
万博のメイン会場となる夢洲は、万博後もIR(統合型リゾート)計画が進行しており、カジノやホテル、国際会議場が建設される予定です。
これにより、国内外から観光客やビジネスパーソンが継続的に訪れる可能性が高く、賃貸需要も安定するでしょう。
さらに、夢洲へのアクセス強化に伴い、周辺地域にも経済効果が広がることが期待されています。
たとえば、夢洲に隣接する舞洲(まいしま)や咲洲(さきしま)などのエリアも、投資先として注目されています。
2.成長が期待されるエリア「梅田エリア」
大阪市の中心部である梅田は大阪のビジネス拠点であり、商業施設やオフィスビルが集積しています。
この梅田エリアでは再開発が活発に行われており、直近では「うめきた2期開発プロジェクト」が進行中で、商業施設や住宅、オフィスの開発が進み、万博期間中も多くの観光客やビジネス需要を支えると考えられています。
梅田エリアは賃貸需要も高く、万博後も大阪の中心地としての価値が維持され、安定が期待できるでしょう。
賃貸需要が安定しているエリア
万博期間中に一時的に賃貸需要が増えるエリアだけでなく、万博終了後もビジネスや観光客が継続して訪れる場所に注目しましょう。
1.難波・心斎橋
難波や心斎橋といった大阪市内の中心部は、常に賃貸需要が高いエリアです。
また人気の観光地でありながら商業施設が豊富で、ビジネスの拠点としても賑わっています。
こうしたエリアは、万博終了後も投資価値が維持される可能性が高いため、長期的に安定した収益が見込める物件が多いでしょう。
2.大阪ベイエリア
万博会場となる夢洲周辺はもちろん、港区や此花区(このはなく)も再開発が進んでおり、観光客やビジネスパーソンが増加することが予想されます。
ベイエリアは万博後もインフラが整備されていることから、観光地としての魅力が高まり、賃貸需要が続くと考えられます。
さらにIR(統合型リゾート)計画の進展によって、カジノ施設のほか日本最大級の国際会議場や娯楽・商業施設を整備する構想案が提示されており、世界でも有数のエンターテインメントの拠点になっていくことが予想されます。
その他にも大規模な再開発が予定されており、今後も発展が見込まれるでしょう。
大阪再開発の例
●新今宮駅前に星野リゾートのOMO7が大規模ホテルをオープン。
●2031年春の開業を目指し、梅田と関西国際空港をつなぐ「なにわ筋線」計画が始動。
●新大阪から北陸まで接続可能になる、北陸新幹線延伸を計画中。(2046年開業予定)
●リニア中央新幹線で東京・大阪間が67分で繋がる。(早ければ2037年にも開業)
投資リスクを回避するための戦略
万博終了後のリスクを回避しつつ、成功するための具体的な戦略を紹介します。
インフラ整備が進むエリアに投資
インフラ整備が進んでいるエリアは、万博終了後も地域の成長が期待できます。
大阪メトロ中央線の延伸以外にも、関西国際空港との交通アクセスも強化される予定で、国際的なビジネス需要や観光客の増加が見込まれます。
こうした交通インフラの整備は、長期的に不動産価値を支える要因となるため、投資リスクを低減できるでしょう。
長期的に見据えた投資
万博による不動産価格の上昇は一時的な現象に終わる可能性がありますが、長期的な賃貸需要が期待できる地域や物件に投資することで、安定したキャッシュフローを得ることも重要です。
大阪市内の中心部や、再開発が進むエリアでは、ビジネス需要や住民の増加により、長期的に高い入居率を維持できるでしょう。
まとめ
大阪関西万博がもたらす不動産市場への影響は非常に大きく、短期的な価格上昇に飛びつくのは魅力的に見えるかもしれません。
しかし成功するためには、万博終了後のリスクをしっかりと理解し、長期的な視点を持った投資戦略を取ることが重要です。
適切なリスク管理と分散投資を意識しながら、大阪関西万博を一つの契機として、長期的な不動産投資の成功を目指しましょう。