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2024/12/26 18:45

<家計貯蓄率上昇で消費が停滞>日本経済の回復には投資の拡大が鍵?【後編】

前編では日本における家計貯蓄率の上昇と、消費の伸び悩みが経済全体に及ぼす影響について解説しました。

 

前編はこちら>

 

貯蓄に偏ったポートフォリオは、経済の停滞や個々の資産形成にとっても、望ましくありません。
今回は「貯蓄から投資へ」シフトすることが必要な理由と、その具体的なメリット、始めやすい投資方法について詳しくご紹介します。

 

貯蓄から投資へシフトするべき理由

 

貯蓄に偏ることが、経済の停滞や個々の資産形成にとって、なぜ望ましくないのでしょうか。


経済の活性化に必要な「投資」
 

現在の日本では消費が停滞し、経済が活性化しにくい状況です。
ですが今後、日本の投資が増えれば、企業は設備投資や新規事業の展開により成長し、新たな雇用が生まれ、従業員の所得も増える可能性が高まります。
こうしたサイクルをつくることで、経済全体の活力が向上し、消費も刺激されるのです。


個人資産の「増加」と「安定」
 

現在の日本は超低金利時代が続いており、銀行に預けても利息はほとんど付きません。
しかし投資を行うことでリターンが期待でき、適切なリスク管理を行えば、資産の長期的な安定を図ることも可能です。
また、インフレによって物価が上がると、貯蓄だけでは資産の実質的な価値が目減りするリスクもありますが、投資によってリターンを得ることで、インフレ対策になります。

 

投資がもたらす具体的なメリット

 

貯蓄だけでは補えない投資のメリットは何でしょうか。


1.老後の安定した生活資金の確保
 

少子高齢化が進む日本では、今後の年金制度の不安定さが課題とされています。
投資を通じて資産を増やすことで、老後に必要な生活資金の確保が現実的になり、老後の経済的な安心感を得られるのです。


2.FIREやセミリタイアの実現
 

現役世代の間では、若いうちに資産を築き上げ、早期リタイアを目指す「FIRE(Financial Independence, Retire Early)」が注目されています。
投資を行うことで資産を増やし、その資産からの運用益で生活を賄うことができれば、働かずに生活することも可能になります。
こうした選択肢が増えることも、貯蓄から投資へシフトするメリットの一つです。


3.インフレ対策
 

物価が上昇すると、貯蓄のみではお金の価値が目減りすることになりますが、投資によって得られるリターンがあれば、インフレに対する備えとしても有効です。
たとえば、物価が毎年2%上昇した場合でも、2%以上のリターンを得られる投資をしていれば実質的な資産価値を維持でき、インフレの影響を抑えられます。

 

初心者が始めやすい投資方法

 

投資初心者でも始めやすい投資方法について、触れてみましょう。


新NISAやiDeCo
 

政府が推進している少額投資非課税制度「新NISA」は、少額から始められるため投資初心者にとっても比較的ハードルが低く、投資で得た利益が非課税になるというメリットがあります。
さらにiDeCo(個人型確定拠出年金)は、毎月一定額を積み立てながら投資に回せるため、老後の資金準備に適した方法です。

 

投資信託

 

投資信託は、専門家が株式や債券などに分散投資する商品です。
個別株のように自分で選択する手間がないため、リスク分散がしやすいのも特徴です。新NISAやiDeCoを利用して、投資信託を使ってリスクを抑えつつ資産形成を進められます。


ETF(上場投資信託)

 

ETFは株式市場に上場している投資信託で、株と同じように簡単に売買ができます。
また運用コストも低めで、長期的な資産形成に向いているのが特徴です。

さらに、ETFの中にはインカムゲイン(配当金)が得られるものもあり、少しずつ収入が増えるメリットもあります。

 

投資に対する不安を減らすためのリスク管理
 

投資にはリターンとリスクが伴いますので、リスク管理の方法についてご紹介します。


ポートフォリオの分散
 

株式・債券・不動産投資信託など、異なる資産に分散投資をすることで、特定の市場の影響を受けにくくします。
たとえば株式市場が不調なときでも、債券や不動産が安定していればリスクを抑えられます。


長期投資の重要性
 

投資は短期的な市場変動の影響を避けるために、長期的な視点で行うことが重要です。その方が、安定的にリターンを得る可能性が高まるからです。
特に新NISAやiDeCoなどは、長期間にわたって資産を増やしていく設計になっています。


少額から始める
 

投資に慣れていない場合は、最初から多額の資金を投入するのではなく、無理のない範囲で資産形成を進め、徐々にリスクを理解していくことが大切です。
少額であっても、積み立てることで大きな資産に成長する可能性があります。


まとめ
 

日本では長らく貯蓄を重視する文化が根付いてきましたが、貯蓄だけではお金の増加は限られており、インフレの影響も受けやすいため、長期的な視点で資産を増やすためには投資が必要です。
現状を打開し経済を活性化させるために、「貯蓄から投資へ」のシフトチェンジを進め、資産を成長させながら豊かな未来を築いていきましょう。

 


 

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