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2024/12/05 19:32

老後資金はいくら必要?30代・40代のための計画と蓄え方【前編】

「老後資金はどのくらい必要か?」という不安は、多くの30代・40代が抱えている悩みの一つです。
日本の平均寿命は延び続けており、今後さらに長寿化が進むと考えられています。
そのため定年退職後の生活費をどのように確保するか、早めの準備が重要になります。
前編では老後資金の基礎知識をお伝えし、無理なく計画的に蓄えるためのステップを解説します。


老後資金はいくら必要か?

 

定年退職後の生活費について考えてみましょう。


老後の生活費の目安

 

2023年に総務省が実施した家計調査によると、夫婦二人の平均的な消費支出(生活費)は月額25.1万円という結果でした。
65歳から85歳までの20年間で、毎月25万円を使う場合、総額は約6000万円に達します。
これに加え、医療費や介護費用も考慮した老後資金を準備しておくと安心です。

その他にも「生活費以外の出費」の準備をしておきましょう。

生活費以外の出費…独立前の子供の教育費、子供の結婚・出産などの資金援助、自宅のメンテナンス費用、家具・家電製品や自動車の買替え等。

上記を踏まえて年額で見積もりを出し、算出した金額を老後の生活費にプラスすれば、老後にかかる出費を把握できます。


老後資金は人によって異なる

 

2022年に発表された「公益財団法人 生命保険文化センター」の「生活保障に関する調査」によると、夫婦でゆとりのある生活をするには平均37.9万円が必要という結果が出ています。
65歳から85歳までの20年間で、毎月38万円を使う場合、総額は約9000万円に達します。

老後に必要な資金は、住まいが賃貸か持ち家か、地方か都市部か、趣味や旅行の頻度によっても異なります。
まずはご自身の希望する老後のライフスタイルを具体的にイメージすることが、必要資金を知るための第一歩です。


40代の平均貯金額は?


金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査2023年」によると、40代の二人以上世帯の平均貯蓄額は889万円です。

 

「年代別貯蓄額」

※「家計の金融行動に関する世論調査2023年」単身・二人以上世帯 参照作成

 

中央値の金額をみると予想よりも少ないと感じますが、金融資産を保有していない世帯を含んだデータのため、極端値(貯蓄ゼロ)に引っ張られて平均値が低くなります。
実際には紹介した平均値・中央値よりもはるかに多くの資産を保有されている方も多いでしょう。

今度は40代の年収別貯蓄額を見ていきます。

 

「年収別貯蓄額」

※「家計の金融行動に関する世論調査2023年」単身・二人以上世帯 参照作成



貯蓄額はおおよその数字で記載しています。

年収が高くなるにつれて貯蓄額が大きくなっていることと、単身世帯より二人以上世帯の方が高い貯蓄傾向にあることがわかります。


退職後に入ってくるお金の把握
 

定年退職後の支えとなるお金について、把握しておきましょう。


公的年金はどのくらいカバーできるか

 

年金加入者は「国民年金」「厚生年金」「共済年金」などの年金制度に分類されます。
国民年金の満額支給額は月額約6.5万円、厚生年金の受給額は年収や納付期間に応じて変動しますが、一般的に月額15〜17万円程度が目安です。


退職金はいくらか

 

退職金の計算方法は会社ごとで異なる上に、退職事由や業績評価によっても変動します。
一般的には勤続年数方式が採用されることが多く、その場合「退職金=基本給×勤続年数×支給率(企業で定めている)」で計算できます。
勤続年数によって控除額の計算式が異なりますし、退職年金か、確定拠出型年金(DC)かでも金額や受け取り方が変わりますので、一度調べてみてもよいでしょう。

 

老後資金を計画的に準備するためのステップ

 

生活に無理のないように、計画的に準備しておきましょう。


ステップ1  自分の老後生活をイメージし、目標額を設定する
 

自分がどのような老後生活を送りたいかを具体的に考え、そのために必要な資金額を計算します。月額25万円で生活するのなら、20年間で総額6000万円が必要となります。
これを基に、定年までにどの程度の貯蓄を目指すべきかが明確になります。
 

ステップ2  公的年金で不足する額を確認し、補填する方法を考える
 

目標額が設定できたら、次はそのうちどれだけを年金でまかなえるかを確認します。
例えば老後の月額生活費25万円のうち、年金で月15万円を受け取れると仮定すると、残りの10万円を貯蓄や資産運用で補う必要があります。
 

ステップ3  資産形成を計画的に行う
 

30代・40代は時間を味方につけられる年代であり、長期的な資産運用を行いやすい時期です。
毎月の定期預金や積立投資、またはiDeCoや積立NISAなどを活用し、効率的に資産形成を行いましょう。

 

まとめ
 

老後資金を30代・40代から計画的に備えることは、将来の生活を安定させるための大切な一歩です。
まずは必要な目標額を設定し、公的年金と自助努力によってどう補うかを計画しましょう。
次回の後編では、さらに実践的な資産の増やし方や注意点について詳しく解説します。

 

 


 

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