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2025/04/16 18:57

なぜ中古マンションが値上がりしているのか?価格高騰の背景と今後の見通し(後編)

前編では中古マンションの価格高騰の背景として、人口流入の増加や東京23区の不動産価格動向の特徴について解説しました。

 

前編はこちら⇒

 

それらをふまえて今後の中古マンション市場は、いつが買い時なのか気になる方も多いでしょう。

後編では今後の価格動向の予測や、購入時に注意すべきポイントなどについて詳しく解説していきます。

 

 今後の価格動向予測

 

中古マンションの価格が今後どのように変化するのか、要因から考えましょう。

 

金利上昇による影響

 

長らく続いた低金利ですが、2025年1月の日銀金融政策決定会合で政策金利が0.5%程度へ引き上げられることが決定され、今後もさらなる金利上昇が予測されています。

金利が上昇すると、住宅ローンの返済負担が増え購入を控える人が増加するため、マンション価格の調整(値下がり)が起こる可能性があります。

しかし歴史的に見れば日本の金利は依然として低水準の部類であり、金利上昇が緩やかであればすぐに価格が下がるとは限りません。

さらに、現金で購入する富裕層や投資家は金利上昇の影響を受けにくいため、市場の底堅さが維持される可能性があります。

 

供給増加の可能性 

 

新築マンションの供給は限られていますが、都心部では再開発プロジェクトが進行中です。

 

主な再開発エリア

品川駅周辺の大規模開発(リニア中央新幹線開業に向けた再開発)

国際的な交通ハブとしての地位がさらに高まり、オフィス・ホテル・高級マンションが供給予定。

渋谷駅周辺の再整備(オフィス・商業施設の拡充と住宅開発)

渋谷アクシュの建設や、渋谷駅桜丘口地区の再開発(Shibuya Sakura Stage)が予定されています。

東京湾岸エリアの再開発

三井不動産等が2020オリンピック・パラリンピック跡地で「晴海フラッグ」を、三菱地所が豊洲エリアで「豊洲セイルパーク(仮称)」の大規模開発を推進中。

これらのプロジェクトが進むことで、周辺のマンション価格は底上げされる一方で、供給が増えれば中古市場の価格高騰が落ち着く可能性もあります。

また、築年数の経った中古マンションがリノベーションされて再流通するケースも増えており、新築同様の中古物件として一定の需要を集めています。

 

景気や人口動態の影響 

共働き世帯の増加 → 通勤に便利な都心の住宅需要が高まる

単身世帯の増加 → コンパクトなマンションの需要が増える

都心部の利便性向上 → 若年層の定住傾向が強まる

このような社会的な流れがあるため、地方の不動産価格が下落する一方で、東京23区の不動産は堅調に推移すると予想されます。

 

インフレ・円安の影響 

円安傾向により、海外投資家(特に、中国・香港の富裕層や欧米の投資ファンド)が東京の不動産市場に積極的に参入しています。一等地のタワーマンションや、駅近の物件は高値で取引されるケースが増えた結果、都心部を中心に不動産価格の上昇が続いているのが現状です。

この影響で、2025年以降も都心部のマンション価格は基本的に上昇基調を維持し、下がりにくい市況が続くと予測されます。

 

中古マンション購入時の注意点

 

中古マンションを購入する際は価格や立地だけでなく、管理状況や将来の資産価値などを総合的に判断することが重要です。

 

① 適正価格の見極め方

周辺の成約価格を比較し、適正価格を判断する

過去の取引価格をチェックし、価格が過剰に上がっていないか確認する

中古マンション市場では、都心5区(千代田区・中央区・港区・新宿区・渋谷区)を中心に価格が高騰している一方、その他の区では横ばい傾向が続いています。

購入の際は合理的な判断をもとに、コストパフォーマンスの高い物件を選ぶことが求められます。

 

② 管理状況の確認

築年数や修繕計画を確認し、維持管理が適切かチェック

管理組合の運営状況を調査し、健全な管理が行われているか確認

重要事項調査報告書や議事録、マンション管理インスペクションを活用し、理事会や管理組合の運営状況・管理規約・組合会計の方針などを事前に確認することが重要です。

これにより管理体制の健全性を把握し、将来的なリスクを回避できます。

 

③ 資産価値が落ちにくい物件の選び方

駅から徒歩10分以内の物件を選ぶ

再開発エリアや商業施設が充実した地域を重視する

JR山手線の新駅「高輪ゲートウェイ駅」(2020年開業)の事例からも分かるように、新駅の開業は周辺地域の利便性を向上させ、地価やマンション価格の上昇を促す要因となります。

 

④ 今後の市場変動リスクを考慮した購入戦略

金利の上昇を考慮し、無理のないローン計画を立てる

将来売却する可能性を考慮し、流動性の高い物件を選ぶ

 

まとめ

 

今後の価格動向は、金利・供給量・景気・海外投資家の動きによって大きく変わります。

しかし、低金利の恩恵を受けられる今のうちに購入するのも一つの選択肢です。慎重に情報を収集し、資産価値を維持できる物件を選ぶことが重要です。

マンション購入を検討している方は、今回の情報を参考にぜひ賢い選択をしてください!

 


 

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