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2025/01/23 19:57

活気が増してきている不動産市場!その動向を探る【前編】

コロナ禍や経済の不透明感を背景に、一時的に停滞していた不動産市場も、2024年には回復の兆しが鮮明にみえてきました。
そして、2025年を迎え再開発の進展やインバウンド需要の拡大により、国内外の投資家からの関心が一層高まり、新たな投資チャンスが広がりつつあります。
前編では不動産市場が回復してきた背景を詳しく解説し、その動向を探ります。

 

海外投資家から注目される日本の不動産市場
 

日本の不動産市場が再び活気を取り戻している理由の一つが、海外投資家からの関心の高まりです。
その理由として、4つの要素が挙げられます。


流動性の高さ
 

不動産市場調査会社MSCIリアル・キャピタル・アナリティクス(以下、MSCI)の調査によると、東京市場は香港と並び、アジア太平洋地域で最大規模の不動産取引額を誇ると発表されました。
経済成長が鈍化しているとはいえ、世界的にみると安定した経済環境であり、さらには国際都市としてのステータスもあることから、海外の投資家にとって魅力的な投資先といえるでしょう。

 

金利の低さ


世界的に金利が上昇している中、国内でも日銀の利上げは今後行われると予想されています。
ですが大きな金利政策が行われたとしても金利1%台であるため、日本不動産研究所の調べによる平均的なワンルームマンションの利回りの約4%よりも低く、十分に利益が発生すると予想できます。
これにより、融資を利用した不動産投資が他国に比べて有利となり、海外資本の流入が増加しています。


世界の不動産市場の冷え込み
 

アメリカやヨーロッパでは金利上昇や経済不安の影響で、不動産市場は停滞しています。
このため、安定した市場環境と魅力的な物件価格を提供する日本が、代替の投資先として注目されているのです。

 

商業不動産の活性化の背景
 

商業不動産の活性化の背景として、インバウンド需要の増加と、オフィス市場の上昇が挙げられます。


インバウンド需要の拡大によるホテル投資の活性化
 

新型コロナウイルスの影響で低迷していたインバウンド需要が、2025年に入り本格的に回復基調です。
MSCIによると、ホテルの取引額前年同期比は∔47%と大幅にアップしたと発表されました。
外国人観光客が増加し、宿泊需要が拡大していることから東京や大阪、京都などの観光地を中心に、ホテル物件の取引額が急増しています。
また都市部では大規模な再開発が進んでおり、再開発エリアに近接するホテル物件は、将来的なキャピタルゲインも期待できるため、ホテル投資への魅力が高まっています。


オフィス市場の回復
 

リモートワークの普及が進んだことで、一時的に需要が低下したオフィス市場ですが、大企業を中心にハイブリッドワークを取り入れる企業が増加し、利便性や環境配慮を重視したオフィス需要が拡大しています。
また一部の都市部では、オフィスの供給不足が顕在化しており、賃料が上昇している状況です。

 

住宅市場の進化
 

再開発や既存住宅市場の拡大により、住宅市場は新たなステージへと進化を遂げています。
再開発による不動産価値の上昇
品川や渋谷などの主要駅周辺では、大規模な再開発が計画されています。
新たな鉄道路線や駅の設置など、交通インフラの改善が地価を押し上げ、再開発エリア近隣の住宅や沿線エリアへの注目が高まっています。

 

既存住宅市場の拡大
 

日本では従来、新築住宅が市場の主流でしたが、既存住宅の流通比率が年々増加しています。
建築コストの上昇で新築マンションの価格が大幅に上昇していることと、市場の成熟化により、既存住宅市場は今後さらに拡大すると予想されています。
これにより、中古マンションを活用した投資機会が増えていくでしょう。


賃貸需要の安定
 

国立社会保障・人口問題研究所が発表した『日本の地域別将来推計人口(2023年推計)』によると、2020年時点では東京圏の人口が総人口に占める割合が29.3%ですが、2050年には33.7%になると予測されています。
今後も都市部では人口集中が続き、賃貸需要も安定するでしょう。
また単身者や若年層、外国人労働者の増加によって、特にワンルームマンションや小規模アパートの需要が堅調で、これらの不動産投資の収益性が上昇している状況です。


まとめ
 

不動産投資市場は、海外投資家の注目やインバウンド需要の拡大、再開発プロジェクトの進展、賃貸需要の増加といった要因が市場全体を押し上げ、回復基調となりました。
また賃貸需要の安定や既存住宅市場の拡大といった、様々な要因が投資家に新たな機会を提供しています。
不動産市場の回復を追い風に、未来の資産形成を考える良いタイミングです。
次回、後編では資産形成を焦点に当てて解説いたします。

 


 

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