マガジン

makeA事務局
2025/05/01 19:10

半導体株の将来性は?半導体株の基礎と今後の見通しを徹底解説!【後編】

世界的に注目を集める半導体株ですが、今後どのような動向をたどるのでしょうか?
本記事の後編では日本企業の半導体産業の未来と、半導体株の技術トレンドや注目銘柄について詳しく解説します。

 

<関連記事> 半導体株の将来性は?半導体株の基礎と今後の見通しを徹底解説!【前編】

 

 

日本の半導体産業に復活の兆し

 

かつて世界をリードしていた日本の半導体産業ですが、1990年代以降は韓国や台湾、米国の企業に押されて低迷していました。その背景には、バブル崩壊による投資資金の減少や、新技術開発より品質向上を優先していたことが挙げられます。

しかし政府は2030年までに10兆円以上の支援を決定し、企業の技術力を活かした成長戦略で再び日本の半導体産業が注目を集めています。

 

日本企業の世界ランキングと技術力

 

米調査会社ガートナーやIC Insightsの「世界半導体企業売上高ランキング」のデータを基にした2024年の予測によると、日本企業のトップ3は以下の通りです。

16位:ソニー(イメージセンサーの世界トップシェア)

18位:キオクシア(NANDフラッシュ市場で世界シェア3位)

20位:ルネサスエレクトロニクス(自動車向け半導体市場で世界3位)

また日本は、半導体製造装置や材料分野で世界トップクラスの技術力を持っています。
特にEUV露光装置に使用されるフォトレジストは、日本企業が世界市場の90%以上のシェアを誇ります。(出典:SEMI、2023年レポート)

 

国内各地で進む大規模半導体プロジェクト

 

政府の補助金政策と海外企業の投資により、日本国内での半導体生産が加速しています。

熊本県:TSMC(台湾積体電路製造)が新工場を建設し、量産を予定

北海道・千歳市:Rapidusが最先端半導体(2nmプロセス)の国内生産を計画

広島県:マイクロン・テクノロジーが次世代メモリ工場を増設

これらの投資は半導体関連株の上昇要因となるだけでなく、地域経済の活性化にもつながっています。

 

国内外からの投資マネーの流入

 

2020年代に入り、米中対立の激化・台湾有事リスク・韓国の北朝鮮問題などの地政学的リスクを回避する動きが加速しました。その影響で、日本の半導体産業に対する世界的な投資資金の流入が活発化しています。

 

海外資本の動向

 

TSMCの日本投資:熊本に半導体工場を建設し、日本のサプライチェーンを強化。

米国CHIPS法(2022年):米国政府が国内外の半導体産業を支援するために520億ドル(約7.8兆円)を投入。

日本政府の補助金政策:国内の半導体産業を強化するために巨額の補助金を供給。

これにより日本の半導体関連銘柄の注目度が高まり、株価の上昇要因になっています。

 

成長を牽引する技術トレンドと注目銘柄

 

半導体市場の成長見通し

 

2023年の世界半導体市場規模は約5700億ドル(約85兆円)でしたが、ガートナーなどの市場調査機関によると、2030年には100兆円を超える可能性が高いと予測されています。

今後も成長を牽引するのは、以下の技術トレンドです。

 

成長を支える主要要因

 

生成AIの進化:NVIDIAのGPUなど、AI向け半導体の需要が急増。
5G・データセンターの拡大:高速通信・大規模データ処理のための半導体需要増。
EV・自動運転の普及:車載半導体の市場規模が拡大中。
IoTの普及:スマート家電・工場の自動化に伴い、各種半導体の需要増加。
量子コンピュータ:新たな計算技術により、半導体産業に変革をもたらす可能性。
とはいえ、従来の微細化技術は限界に近づいており、新たな材料・製造プロセス(ナノシート技術・3D半導体技術など)の開発が鍵となります。

 

世界の主要半導体企業と注目銘柄

 

半導体産業は急成長を続けており、今後も世界経済を牽引する重要な分野です。特に、アメリカ・台湾・韓国・日本・中国などが半導体市場を支配し、それぞれの分野で強みを発揮しています。

 

 

今後も注目の半導体関連銘柄

 

世界の主要半導体企業

NVIDIA(NVDA):生成AI向けGPU市場のリーダー。

TSMC(2330.TW):世界最大の半導体製造企業(ファウンドリ)。

ASML(ASML):EUV露光装置を独占供給。

AMD(AMD):高性能プロセッサとGPUで急成長。

 

日本の主要半導体企業

東京エレクトロン(8035):半導体製造装置メーカーのトップ企業。

信越化学工業(4063):シリコンウェーハの世界最大手。

ソニー(6758):イメージセンサーの世界的リーダー。

アドバンテスト(6857):半導体テスト装置の大手企業。

 

まとめ

 

半導体市場は今後も成長が期待される分野であり、2030年には100兆円を超える可能性がある中、日本の半導体産業は復活の兆しを見せ、投資のチャンスが広がっています。
しかし半導体市場は変動が大きいため、慎重に情報を収集しながら市場動向をしっかりチェックすることが重要です。

今後も、半導体市場の成長を見据えた投資戦略を立てていきましょう!

 


 

一緒に読まれているコンテンツ

半導体株の将来性は?半導体株の基礎と今後の見通しを徹底解説!【前編】
いいね