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makeA事務局
2025/09/26 11:37

デジタル通貨の導入がもたらす社会の変化とは?

近年、世界的に「デジタル通貨」が注目を集めています。

ビットコインをはじめとする仮想通貨はもちろん、中央銀行が独自に発行するデジタル通貨(CBDC)も実証実験が進んでいます。日本でも「dcjpy」という構想が進行しており、今後の金融システムや社会のあり方を大きく変える可能性を秘めています。

今回の記事では、デジタル通貨の基本から社会に与える影響や、今後の見通しについて解説します。

 

デジタル通貨とは?基本をわかりやすく解説

 

デジタル通貨とは、電子的な形で存在するお金と同じように使えることを前提とした通貨であり、具体的にはブロックチェーン技術などを用いて取引が行われる決済手段を指します。

従来の現金のように紙や硬貨の実体を持たず、インターネット上で送受信でき、大きな特徴は、「分散型台帳」によって取引記録が管理され、改ざんや不正(マネーロンダリングなど)が起きにくい点にあります。

デジタル通貨の種類としては大きく二つに分けられます。

一つは「中央銀行発行のデジタル通貨(CBDC)」であり、各国の通貨当局が発行主体となり、既存の法定通貨をデジタル化するものです。

もう一つは「仮想通貨」で、ビットコインやイーサリアムなど、国家に依存せず市場の需給で価値が変動するものです。なお、本記事で扱う「デジタル通貨」は、この仮想通貨を中心に解説します。

日本においては「dcjpy」構想が注目されています。これはブロックチェーンを基盤とした円建てのデジタル通貨であり、取引効率の改善や企業間決済の高速化を狙っています。既に存在している決済インフラに組み込むことで、国際的な取引においても日本円の利便性を高めることが期待されています。

さらに、デジタル通貨は投資対象としても注目を浴びています。価格の触れ幅が大きいリスクを持ちながらも、分散投資の一環として取り入れる動きは個人投資家・機関投資家ともに広がっています。

資産クラスとしての位置づけが進めば、デジタル通貨は日本国内でも利用や普及が加速するでしょう。

 

デジタル通貨がもたらす社会の変化

 

デジタル通貨が普及することで、まず「決済手段の多様化と利便性の向上」が見込まれます。従来の銀行送金では時間や手数料がかかっていましたが、ブロックチェーンを基盤にした取引では、24時間365日低コストで送金が可能です。

国際送金でも数日かかっていた処理が数分で完了するケースもあり、国際的なEC企業やグローバルビジネスにおいて、特に利便性の向上が見込めます。

次に、企業や金融機関にとっては「コスト削減と取引の効率化」が大きな利点です。既存の決済ネットワークでは仲介業者が必要でしたが、デジタル通貨は直接取引を可能にするため、結果的に中間コストが削減可能です。

さらに、デジタル通貨には「金融格差の解消」に向けた可能性もあります。銀行口座を持てない人でも、スマートフォンさえあれば取引に参加できるため、新興国を中心に金融サービスへのアクセスが広がることが期待されています。

日本においても、地方や高齢者層にとって利便性の高い送金手段となり得るでしょう。金融サービスを誰もが平等に利用できる仕組みが整えば、社会全体の経済活動が活発化することがあるかもしれません。

もちろん、デジタル通貨には課題もあります。価格変動の大きさやセキュリティリスク、規制の不透明さなどは導入の障害となりえるでしょう。

しかし、こうしたリスクは制度整備やセキュリティ技術の進化によって徐々に克服されつつあり、社会に受け入れられる土壌は整いつつあると言えます。

 

デジタル通貨導入の今後の見通し

 

今後、デジタル通貨は「市場における重要な役割」を担っていくでしょう。特に仮想通貨は「価値保存の手段」として金に似た役割を持つようになりつつあり、資産形成やインフレ対策の一環として選ばれるケースも増えています。

今後の技術革新も、デジタル通貨の発展を推し進める要因です。ブロックチェーンの各種リスクを解決する新技術や暗号技術の研究が進めば、より安全で迅速な取引環境が整います。

また、デジタル通貨が国家的に導入されれば、生活スタイルも大きく変化するでしょう。

日常の買い物や給与支払い、資産運用の場面でデジタル通貨が使われるようになれば、個人がデジタル通貨を今でいう現金と同じ感覚で運用するようになっていくと考えられます。海外旅行や留学においても両替や送金の手間がなくなるため、グローバルなライフスタイルを支える基盤になると言えます。

最終的にデジタル通貨は、金融だけでなく社会全体の仕組みを変える可能性のある存在です。既存の通貨や決済システムと補完し合うことで、新しい経済の姿を形づくることになるでしょう。

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