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2025/08/09 16:09

不動産価格、いつ下がる?─市場に影響を与える“4つのリスク要因”

上昇を続ける不動産価格ですが、このまま上がり続けるのか、それとも下落に転じるのかといった見通しは、多くのオーナーが気にするポイントではないでしょうか。

不動産市場の動きを左右する要素は複雑なものとなっていますが、その中でも市場に影響する4つのリスクを抑えることは、今後の資産形成戦略を考える上で重要です。

この記事では、不動産価格に下落影響を与えうる4つの外部要因と、価格下落リスクに強い物件の条件、売却タイミングの基準について、分かりやすくまとめて解説します。

 

価格に影響を与える「4つの外部要因」とは?

不動産価格に影響を与える要因は、単に不動産の需給だけでなく、社会全体の変化に大きく関係してきます。中でも「金利」「新築供給」「経済環境」「税制・政策」の4つの外部要因には注目すべきでしょう。

1つ目に金利についてですが、これは住宅ローンや投資用ローンが強い影響を受けます。金利が上昇すると借入・返済コストが増えることになりますので、物件購入を控える動きが広がり、結果として価格下落圧力が高まります。ただし、繰上返済、借換えをうまく活用すればリスクを軽減できる可能性があります。 

2つ目に新築供給です。

大規模な新築供給は中古不動産市場に価格競争をもたらしますが、その影響は一部エリアに限定されることが多い傾向が見られます。駅近や生活利便性が高いエリアの中古物件は新築と比べても賃貸ニーズが堅調なため、価格を維持しやすい傾向にあります。

3つ目に経済環境も重要です。

円安や物価上昇、景気後退の懸念が強まると投資意欲は冷え込みます。ただし、賃貸需要は生活基盤に直結するため、株式市場ほど急激な影響を受けない点がポイントです。特に入居需要が強い都市部の物件は、経済環境が不透明感の中でも比較的安定する傾向が見られます。

4つ目に税制や政策変更です。

住宅ローン減税や固定資産税などの優遇措置が縮小される可能性はありますが、相続税対策や不動産所得控除といった制度は、不動産購入のハードルを下げるため、結果的に需要が高まり物件価格が上がることもあります。

このように、不動産物件価格は外部リスクはあるものの、正しい知識と準備があれば「回避」や「軽減」が可能と言えるでしょう。


“価格下落”に強い物件・弱い物件の特徴

価格下落に強い物件と弱い物件には明確な違いがあります。強い物件の条件は、将来的な需要の高さと管理体制の安定性の2点が挙げられます。中でも立地条件は重要であり、駅から徒歩10分圏内であることや、都市再開発や大学・病院など生活インフラの整ったエリアは、賃貸需要が長期的に安定します。

物件の築年数が古くても、設備更新や大規模修繕が計画的に行われていれば価格を維持できます。逆に、管理組合が機能していない物件や、修繕積立金不足の物件は将来価格下落に弱い物件と言えるため、不動産購入時には、「修繕計画があるか」「管理組合が健全か」を必ず確認しましょう。

また、ワンルーム投資であれば、ターゲット層のライフスタイル変化にも対応できる宅配ボックスやネット回線などの設備水準が求められます。設備が整っていれば、将来的な空室対策にも繋がります。

一方で、価格下落に弱い物件の典型例として、郊外で賃貸ニーズが減少するエリアや、空室が目立つ築古マンションが挙げられます。

こうした物件は表面利回りが高く見えても、長期的には賃料下落や修繕費の増加で収支が悪化しやすくなります。つまり、購入前の調査と取得後の継続的な管理改善が、下落リスクを避ける最大のポイントと言えるでしょう。

 

いつ売るか・どう持つか”の判断基準

 

不動産は購入だけでなく、維持や売却タイミングも戦略的に考える必要があります。
不動産の価格動向を読むのは難しく、短期での売却益を狙うのはリスクが高いと言えます。不動産投資において重要なのは、中長期でプラス収支を維持できるかという視点です。言ってしまえば、キャッシュフローが安定している限り、慌てて売却する必要はありません。

たとえば、金利上昇時には借換えや繰上返済を検討し、収益性を高める工夫を続けることが有効ですが、必ずしも借換えや繰上返済が良い選択とは限らないため、不安があればプロに相談するのが良いでしょう。また、将来の買い増しやポートフォリオ調整を視野に入れることも重要です。

売却のタイミングを「市場の底」に合わせることは現実的ではありません。むしろ、自身の資金計画やライフプランに基づいた判断が、長期的な安定に繋がります。

さらに、物件選びの際には、利回りだけでなくエリアの将来性や入居需要を重視することが不可欠です。たとえば人口動態、再開発計画、交通インフラ整備などの要素を確認するだけでも、リスクを大きく減らせます。つまり、「情報に基づく判断」と「定期的な収支見直し」が、不動産価格変動のリスクを和らげる最大のカギと言えます。

正しい戦略をとれば、ご自身の不動産に対して安心感を持てる未来が見えてくるでしょう。

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