50代で資産形成を加速するためのNISAの有効活用術

資産形成をする手段はたくさんありますが、始めるためのハードルが低く、かつ節税効果も期待できるのがNISAです。
NISAを上手く活用することによって、50代からでも資産形成を加速させ、老後の生活資金を増やしていくことが可能です。
この記事では、50代がこれからNISAで資産形成をする上で知っておきたい基礎知識や、NISAを有効に活用する方法について解説します。
50代におけるNISAのメリットと資産形成の重要性
株式投資や投資信託を活用した投資においては、配当金や売買益に対して通常20.315%の税金がかかってしまいます。しかし、その税金が非課税になるというのが、NISAの最大のメリットです。
例えば投資によって50万円の利益が出た時、NISAを使わないと約10万円の税金を支払わなければなりません。値下がりのリスクを取っているにも関わらず、10万円もマイナスになってしまうのは、もったいないと言えるでしょう。
もしNISAを使っている場合は、この10万円の納税がまるまる不要になるため、NISAのメリットの大きさが理解できるのではないでしょうか。
NISAは18歳以上の日本国籍を有する人であれば、いつでも口座開設をすることができます。
50代は老後までの期間が短く、比較的短期間で資産形成を加速させていく必要があると言えますので、NISAで非課税優遇を受けつつ、投資で効率的に資産形成を進めていくことがおすすめできます。
50代からの資産運用プラン作成
50代であれば、収入は若い頃よりも多く、かつ子どもにかかるお金も減ってきているような年代となりますので、資産形成にかけられるお金を多くできる傾向にあります。
50代から資産運用を進めていくのであれば、まずは目標と資産形成にかける期間をプランニングすることが大切です。
NISAは短期売買でも長期売買でも非課税優遇を受けられますが、できる限りリスクを減らしたいのであれば、5年〜10年単位の長期投資が基本となってきます。
毎月の収入のうち、生活費や固定費を除いた余剰資金を、NISAを活用して定額で積み立てていくようなスタイルが一般的と言われています。
また、50代でリスクの高い投資をしてしまうと、投資元本が割れた際にリカバリーができずに老後資金に大きな悪影響をもたらしかねませんので、投資先を分散する意識も大切です。
仕事で忙しく、日々株価の値動きを見ている時間がない場合は、さまざまな銘柄に分散投資をしているようなインデックス型の投資信託に投資をしていくと良いでしょう。
リスクに備えつつ投資で資産形成を進める場合は、ポートフォリオを重視することも大切です。
万が一のことがあった時に、全財産の少なくとも30%は現預金として残しておくと安心できます。
また、残りの資産も単一の金融資産に寄せるのではなく、債券や株式、不動産REITや金などさまざまな金融資産にバランスよく分散させておくことで、安定的かつスピーディに老後資産形成が進められるでしょう。
NISA活用のシミュレーション
50代がNISAを活用して老後資金を作っていく場合、まずは残り何年働くのかを考え、積み立てていく資産を何年後から取り崩していくのかを検討していくことが大切です。
仮に現在55歳で、勤め先の会社を60歳で定年退職し、それから5年は再雇用で働こうとしている場合は、老後資金を10年〜15年かけて貯めていくのが良いでしょう。
10年以上の長期運用が前提となる場合は、インデックス型の投資信託で資産形成をするなどが一般的です。
インデックス型の投資信託の平均リターンは年間3〜5%と言われています。
例えば、毎月10万円をNISAで積み立て、想定リターンが年間5%で推移したとすると、15年後には投資元本1,800万円に対して、資産額は約2,640万円にもなります。
「老後2,000万円問題」を十分に超えている資産となりますので、家族構成にもよりますが、豊かな老後生活を送れる可能性が高いと言えます。
なお、想定リターンが全く同じ場合、積み立てではなく一括で投資をした方が福利効果が最大限に発揮されるため、同期間での資産額は約3,742万円と大きくなります。
しかし、先ほど触れた通り50代でリターンがマイナスになると老後生活に大きな悪影響をもたらしかねませんので、余程リスキーな資産形成をしたい人でない限り、月々の分散投資を進めた方が良いと考えられます。
NISAで積み立てたお金は、基本的に老後になって生活資金が必要になるまで解約(引き出し)することは避けておくのが良いでしょう。その方が複利効果を享受できるため、総資産額を増やすことができます。
資産を取り崩す際は、毎月一定額か一定割合を取り崩していくことで、安定的に老後資金に充てていくことが可能です。