新NISAの成長投資枠を徹底解説！初心者でも分かる仕組みと活用術【前編】
2024年からスタートした新NISA制度。これまでのNISA制度とは異なり、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの枠を組み合わせた新しい仕組みが特徴です。
本記事ではその中でも「成長投資枠」にフォーカスして、基本的な仕組みや対象商品、メリット・デメリットを詳しく解説します。
成長投資枠とは？つみたて投資枠との違い
2024年から導入された新NISAは、これまでのNISA（一般NISA・つみたてNISA）を一本化した制度です。今までと異なる点は「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの枠が設定されています。どちらも非課税枠として使えますがそれぞれ性質が異なるため、自分に合った活用方法を理解することが大切です。
成長投資枠とは
中・短期的な成長を狙う投資枠です。個別株式やETF（上場投資信託）など、比較的リスクが高く積極的な運用が可能です。年間投資枠がつみたて投資枠の2倍で、よりまとまった金額で投資ができます。
つみたて投資枠とは
長期的な資産形成を目的とした投資枠で、主にリスクが低めの投資信託が対象です。積立形式でコツコツと資産を増やすことを重視しています。
非課税保有限度額は成長投資枠と、つみたて投資枠を合わせて1,800万円ですので、投資枠のすべてを投資する場合には、どちらの投資枠も活用する必要があります。
成長投資枠を活用する理由とは？
成長投資枠の魅力は「非課税枠で成長性の高い投資対象を自由に選べる」という点です。例えば株式市場に注目している人や、少しリスクを取ってでも資産を短期間で増やしたい人には最適でしょう。
一方で、つみたて投資枠のように長期安定を目的とするものではないため、自分の投資目的に応じて使い分ける必要があります。
成長投資枠でできる投資は？
成長投資枠では、以下のように幅広い商品に投資できる点がポイントです。
国内外の個別株式
IPO（新規公開株）を含む日本株や外国株を直接購入できます。証券会社によっては1株から購入が可能で、つみたて投資枠では購入できないインドなどの新興国株や、成長性の高い企業に投資してリターンを狙うことができます。
ただし成長性の高い個別株式に挑戦する場合は、リスクを十分理解した上で取り組む必要があります。
ETF（上場投資信託）
値上がり時に売却、値下がり時に購入といったようにリアルタイムで取引できることや、1つのETFで多くの銘柄に分散投資できるため投資リスクを軽減できます。また、国内のETFなら利益と配当金（分配金）が非課税になります。
REIT（不動産投資信託）
REITは収益の90％以上を投資家に分配するため、高い分配金利回りが期待できます。さらに分配金も非課税であることや、小額から不動産投資ができる点で人気です。
投資信託
つみたて投資枠では購入できない投資信託や、成長期待の高い銘柄に投資できます。
成長投資枠のメリットとデメリットは？
成長投資枠を活用することで得られる主なメリットは以下の通りです。
非課税枠が大きい
年間360万円という非課税枠を使うことで、通常かかる20.315%の税金を節約できます。例えば、運用益が50万円の場合、約10万円の税金が非課税になる計算です。また長期間投資することで、時間分散によるリスク軽減が見込めます。
成長性の高い投資対象にアクセスできる
自分のリスク許容度に応じて個別株やETF、REITなど、リターンの大きい商品を自由に選べます。これにより、短期的なリターンを狙う投資が可能になります。
自由度が高い
さまざまな商品から自分に合った商品を選べるので、自分の投資戦略に合わせて柔軟に運用できます。買い付け方法も商品によって積立投資と一括投資の両方で利用でき、投資タイミングの選択肢が広がります。
配当金を非課税で受け取れるのも魅力です。
一方で、以下のようなデメリットもあります。
リスクが高い
個別株やETFは値動きが大きいため、場合によっては元本割れのリスクもあります。NISA口座では損益通算や繰越控除ができないため、特に株価が大きく下落する局面では注意が必要です。
投資知識が必要
自由度が高い分、どの投資商品を選ぶべきか購入・売却のタイミングはいつかを自分で判断しなければなりません。運用初心者にとっては商品選びが難しいため、少しハードルが高いと感じるかもしれません。
まとめ
新NISAの「成長投資枠」について、仕組みやメリット・デメリットを解説しました。成長投資枠は、非課税枠を活用して資産を効率的に増やせるチャンスを提供してくれる一方で、リスクをしっかり理解し、計画的に運用することが求められます。
次回の後編では、具体的な活用例やおすすめの運用戦略について、銘柄名を出しながら解説します。初心者の方でも実践できるポイントをお伝えしますので、ぜひお楽しみに！
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