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2026/01/20 09:33

子どもの教育資金はどう準備する?ジュニアNISAから学ぶ最適な投資戦略【前編】

日本では長い間「子どものお金は貯金しておくもの」という考え方が強く、銀行口座に入れておくのが一般的でした。しかし超低金利の今は、貯金では全く増えません。
大学進学率はすでに7割を超え、進学が前提となりつつあります。しかしその一方で、大学・専門学校の学費は年々上昇し、貯金だけでは教育費の不安を解消しきれなくなっています。
これらを背景に「子どものうちから資産形成を始める」という考え方が急速に広がっています。
その象徴的な制度が、2023年まで存在したジュニアNISAでした。
ジュニアNISA自体はすでに新規利用ができませんが、その代わりに未成年口座や、2026年導入が検討されている「こどもNISA」など、未成年でも投資を始めやすい環境が広がっています。
本記事の前編では、これまでに用意されてきた制度の全体像を整理し、後編ではそれぞれのメリット・デメリットや具体的な活用戦略を解説します。


ジュニアNISAとは?
 

ジュニアNISAはNISAの「子ども版」として2016年にスタートした、未成年向けの小額投資非課税制度です。


非課税枠の大きさが魅力
 

ジュニアNISAの魅力は年間80万円までの投資が非課税となり、最大で80万円 × 5年間 = 400万円を非課税で運用できる仕組みでした。
対象商品も広く、国内外株式・投資信託・ETFなど多様な投資が可能でした。


払い出し制限がデメリット
 

教育資金としての位置付けのため、原則18歳まで払い出しができません。
しかし教育費はもっと早く必要になる家庭も多く、自由に引き出せない点が敬遠され、利用者数は伸び悩みました。
※なお、2024年1月以降は18歳未満でも払い出しは可能になりました。ただし一部のみの売却はできず、口座ごとの解約が必須となる点には注意が必要です。


2023年に制度終了
 

ジュニアNISAは2023年末で制度が終了しました。
短命ではありましたが、日本に「子どものうちから資産形成を始める」という文化を根付かせた制度と言えます。


未成年口座とは?
 

ジュニアNISA終了後でも、未成年は証券会社で未成年口座(特定口座・一般口座)を開設できます。
非課税ではないものの、子どもの投資教育として利用されています。


未成年口座のポイント
 

  • 株式・投資信託の購入が可能。
  • 取引の管理・最終決定は親権者が行う。
  • NISAのような非課税枠なし。
  • 配当金・売却益は課税。(年間48万円以下なら確定申告で還付の可能性あり)
  • 子ども名義で口座を持てる。


未成年口座は、通常の証券口座を未成年向けにした仕組みです。お年玉やお祝い金を投資に回すなど、金融教育を目的とした利用が増えています。


未成年口座が注目される理由
 

  • 投資教育への関心が高まっている。
  • 親世代が長期積立の効果を理解し始めた。
  • 教育費を運用しながら準備したい家庭の増加。


貯金だけでなく、家庭の価値観に合わせて「貯金+投資」で教育費をつくる流れが進んでいます。


2026年導入が見込まれる「こどもNISA」とは?
 

政府は2026年に、未成年向けの新しい非課税制度「こどもNISA」の導入を検討しています。 
 

導入が検討される理由
 

① 教育費の増加
 

大学進学率の上昇や習い事の多様化で、教育費の負担は右肩上がり。
複利効果を期待し、早期の資産形成を求める声が強まっています。
 

② 家庭間の資産格差の拡大
 

収入格差による子どもの将来を左右しにくくするために、政府は非課税制度で家庭の資産増加を後押しする方針を示しています。
 

③ 親のNISA拡充とのバランス
 

新NISAで親世代の資産形成が強化されたため、その流れを子ども世代にも広げたい意図があります。
 

こどもNISAの特徴(予測)
 

現段階では検討中ですが、以下の内容になる可能性が高いと言われています。
 

  • 年間一定額の投資が非課税。(新NISAの例では年間360万円)
  • 払い出し制限はジュニアNISAより緩和される可能性。
  • 投資対象は一般NISAに近いラインナップ。
  • 既存の「教育資金贈与1,500万円の非課税枠」と組み合わせた資産形成に期待。
  • 教育資金形成に適した仕組みへの調整。
     

もしジュニアNISAと同様の「非課税+長期運用」が確保されれば、未成年の資産形成環境は大幅に強化されます。


まとめ
 

ジュニアNISA終了で一時的に空白が生まれたように見えましたが、未成年口座の普及や2026年のこどもNISA構想により、未成年の投資環境はむしろ強化されつつあります。
資産形成は早いほど長期運用の効果が大きく、今後は教育費を「貯める」から「育てる」時代へと移行していくでしょう。
銘柄選びや運用方針を子どもと一緒に考えることで、自然と金融教育にもつながり、子供たちのお金教育における大きなターニングポイントとなることが期待できます。
後編では、ジュニアNISA・未成年口座・こどもNISAを比較し、それぞれのメリット・デメリットや家庭別の最適な教育資金戦略を解説します。

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