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2025/02/03 19:23

<株式投資>PERとPBRの正しい使い分け方とメリットについて考える【前編】

株式投資を行う上では、どの企業に投資をするかが重要になってきますが、その際の年連続として有効な指標となるのが「PER」と「PBR」です。

この記事では、PERとPBRについての基本的な概念や計算方法、使い分け方からメリットまで、株式投資をする上で知っておくべき基礎知識を解説します。


PERとPBRの基本概念とは
 

まずはPERとPBRの基礎概念について理解をしておきましょう。

PERとは「Price Earnings Ratio」の略称であり、日本語では株価収益率と訳されます。

PERは、株価が企業の利益に比べて割安か割高かを判断する材料として投資家に使われています。

また、PBRとは「Price Book-value Ratio」の略称であり、日本語では株価純資産倍率と訳されます。

PBRは、株価が企業の純資産の何倍であるかを示す指標であり、こちらもPERと同じく株価が割安かどうかの判断に活用できます。

PERとPBRは似たような活用方法をされますが、それぞれPERは株価に対する収益力。PBRは株価に対する純資産をそれぞれ判断基準として捉える指標であるという点が異なります。


PERとPBRの計算方法
 

PERとPBRは、それぞれ上場企業を対象にする場合は簡単に計算することが可能です。

それぞれの計算式としては以下の通りです。

・PER=株価÷1株あたり純利益
例)A社の株価が5,000円、発行済み株式総数10株、当期純利益10,000円の場合
5,000÷(10,000÷10)=PERは5倍

・PBR=株価÷1株あたり純資産
例)A社の株価が5,000円、発行済み株式総数10株、純資産100,000円の場合
5,000÷(100,000÷10)=PBRは0.5倍

このように、それぞれの計算に必要な数値を求めることができれば、簡単に計算することができます。

なお、株価や発行済み株式総数、当期純利益や純資産の数値は、それぞれ企業のホームページからIR情報のページに飛び、直近の株主総会資料をクリックすることで確認できます。

基本的に上場企業であれば企業のホームページにIR情報が公開されていますので、正しい数値を調べたい場合は、投資を考えている企業のホームページをチェックすると良いでしょう。


PERとPBRの使い分け方
 

PERやPBRは、計算したらそれだけで株価が割安かどうかを判断できるわけではありません。それぞれの数値を見て、どれくらいであれば割安かといった水準を知っておくことが大切です。

例えば、PERにおいては割安かどうかを判断する目安として「15倍」と言われることがあります。PERが15倍を超えている企業の株価は割高、低いほど割安と判断されます。

ただし、PERには絶対的な基準がないため、同業種の企業のPER水準を確認し、横並びで比較することをおすすめします。

なお、一般的には市場期待が株価に反映されやすいグロース市場の方が、PERは高くなりやすい傾向にあります。

PBRの場合も、値が高いほど割高で、低いと割安という判断ができるため、PERと数値の使い方は似ています。

PBRについては、一般的に「1倍」を超えているかどうかが判断水準とされており、もしPBRが1倍を切っている場合は、企業の将来の収益性や成長性に対して市場が疑義を感じているという見方がされます。

ただし、PBRは純資産をベースに考える指標のため、短期的な業績によって値が変動しない点には注意が必要です。

PBRは企業の財務状況を確認するのに用い、PERは企業の業績を確認するのに用いるなど、それぞれ適切に使い分けることが、投資判断の上では重要になってきます。


PERとPBRのメリット
 

PERとPBRは、どちらも現在の株価が割安か割高かを、誰でもすぐに確認できる指標として、株式投資初心者からベテランまで幅広く使える点が大きなメリットと言えます。

その企業の特性や直近のニュースを知らなくても、デジタル上の計算だけである程度の投資判断ができるという点で、これから投資先を考えたい人に取って活用しやすい指標と言えます。

また、PERであれば15倍、PBRであれば1倍といった、割安かを判断する水準が明確になっていますので、それぞれの使い分け方を理解しておけば、自身の投資戦略の検討にも役立てることができます。

ただし、リスクをできるだけ回避するのであれば、PERやPBRといった単一指標だけに踊らされることなく、自分の目で事業の将来性を判断し、今後も成長しそうな企業を見定めるようなスキルを養うことが大切です。

 


 

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