環境に配慮した不動産プロジェクトの魅力とは

世界全体で環境への配慮がますます重視される中、「グリーンビルディング」と呼ばれる不動産プロジェクトが拡がっています。
「グリーンビルディング」は単に環境保護に貢献するだけでなく、住む人々の健康と快適性を向上させ、長期的なコスト削減にも寄与します。
本記事では環境に配慮した不動産プロジェクト「グリーンビルディング」とは何かと、日本で行われているグリーンビルディングの例をご紹介します。
グリーンビルディングとは
グリーンビルディングは別名「サステナブルビルディング」とも呼ばれ、人間の健康と環境への悪影響を最小限に抑えて設計された「環境に優しい建物」のことを指します。
地球温暖化や生物多様性の喪失など、地球規模の環境問題が深刻化する中で、グリーンビルディングはその解決策の1つといわれています。
ではなぜ解決策になるのでしょうか?
Wikipediaで調べると「建築と敷地利用、エネルギーと水、資材の集積を高め、敷地・デザイン・建築・作業・維持・除去という完全な建築ライフスタイルを通して、人間の健康と環境に影響を与える建築の減少の実施を行うことである。」
(引用元:Wikipedia「緑の建築ーグリーンビルディングー」)とありますが、具体的に示すと以下の要素が含まれています。
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これらの定義は世界中でわずかに違えど、環境に配慮している建物には変わりありません。
こうした環境配慮型の建物は建築業界だけでなく不動産業界でも見られ、世界的にも増加傾向であり今後も増えていくでしょう。
日本におけるグリーンビルディング
実はグリーンビルディングの概念は1970年代の石油危機から始まっていました。ですが日本にその概念が広まったのは1990年代です。
遅れをとることになった日本ですが、世界から高い評価を受けているグリーンビルディングが存在します。
GOOD NATURE HOTEL KYOTO
2019年12月に開業した「GOOD NATURE HOTEL KYOTO」は、建物全体が自然素材を多く使用し、エネルギー効率の高いシステムを採用しています。
食事やサービスにもエコロジカルなアプローチを取り入れており、オーガニック食品や地元産の食材を使用したレストランを運営することで、心身の心地よさを追求した新発想のライフスタイル体験型ホテルとなっています。
またグリーンビルディングの認証制度である「WELL認証」のゴールドランクと、「LEED認証」のシルバーランクを取得しており、ホテルが「WELL認証」を取得したのは、「GOOD NATURE HOTEL KYOTO」が世界初であり高く評価されました。
「いきもの東急不動産」プロジェクト
東急不動産では不動産業と生物多様性保全の知見を活かし、生き物のことだけを考えた住まいづくりに挑戦する「いきもの東急不動産」プロジェクトを開始しました。
第一弾として、「東急プラザ表参道原宿」の屋上庭園「おもはらの森」にて、鳥類のための巣箱を木材の種類や間取りの異なる9種類ほど設置し、鳥たちが快適に過ごせる環境を提供しています。
都市の中でも自然と共生できるような環境が整備されており、鳥たちが安心して巣を作ることができるよう工夫されています。
以上のように日本でも拡大しつつあるグリーンビルディングは、なぜこのタイミングで注目されたのでしょうか?
なぜ今グリーンビルディングが注目されているのか
大きく注目されるきっかけとなったのは、2015年12月にフランスで決定されたパリ協定です。
パリ協定では世界共通の長期目標として「世界的な平均気温の上昇を、産業革命以前に比べて2℃以内に抑える(努力目標は1.5℃以内)」ことが掲げられました。
日本では2015年時点で脱炭素やグリーンビルディングの話は出ていたものの、法整備ができたのが1999年「建築物の環境性能評価システム(CASBEE)」と、2009年「省エネルギー法の改正」と近年であったため、世界より少し遅れてのスタートとなりました。
まとめ
都市化が進めば、環境は破壊されるーー。そう思われていた大都市の「人間」と「自然環境」の関係性に、融合や共存という新たな可能性が生まれました。
人間が世界を守るための社会的責任を果たしながら、持続可能な未来を築くための第一歩として、グリーンビルディングは今後も拡大していきます。
未来のために環境に配慮した選択をすることが、私たち一人ひとりの生活をより豊かに導いてくれるでしょう。