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makeA事務局
2025/06/04 20:42

プラチナNISAがもたらす投資の新たな可能性

NISAやiDeCoを始め、昨今では国が資産形成を推進する制度が増えてきています。その中で

2026年から導入される可能性がある制度として、「プラチナNISA」が挙げられます。

プラチナNISAは60歳以上の個人を対象とした新たな非課税投資制度であり、従来の新NISAと似ているところもあれば、違うところもあります。

そこで今回は、プラチナNISAに関する概要や活用メリット、通常のNISAとの違いを分かりやすく解説します。今はまだプラチナNISAが活用できない年齢だったとしても、将来の資産形成をする上でも知っておきたい知識となりますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

プラチナNISAの概要とメリット

昨今登場した「プラチナNISA」という名称の制度ですが、2025年5月現在ではまだ検討段階にあります。プラチナNISA自体は2026年から開始される見込みであり、特に65歳以上の中高年層に特化している点が特徴です。

これまでのNISAと全く違う制度ではなく、むしろ従来のNISAの延長線上にある制度と整理でき、株式や投資信託における運用益と売買益が一定範囲において非課税となることから、税制上のメリットがあるものとなっています。

執筆時点で検討されていることとしては、既に資産運用をしているNISA口座資産を売却することなく、プラチナNISAの特徴である毎月分配型の資産に移行できる「スイッチング」を高齢者ついて1回限り認める方向性というものが挙げられます。

毎月分配型とは、投資信託における分配金を毎月支払う仕組みのことを言い、スイッチングができるようになれば、現在の投資信託を解約することなく、毎月の生活費を分配金で充当できるなど、中高年層の生活基盤を安定化させる期待がもたれています。

 

プラチナNISAと通常NISAの違い

プラチナNISAと通常のNISAの違いとしては、投資対象と非課税となる投資信託の範囲、利用できる金融機関の大きく3つが挙げられます。

まず、そもそも制度を利用できる投資対象についてですが、通常のNISAでは18歳以上の日本国内在住者全員が口座を作って利用することができるようになっています。

一方、プラチナNISAは65歳以上の中高年層を投資対象とする制度のため、それ未満の年齢の人は制度設計上利用できないといった違いがあります。

また、非課税となる投資信託の範囲が違うことは、両者の大きな相違点と言えるでしょう。

通常のNISAでは、長期的な資産形成を目的としている制度であることから、主にインデックス指数に基づく長期投資に向いているファンドが対象となっています。加えて、複利効果が得にくく、長期の資産形成に向いていないとされる毎月分配型の投資信託は対象外となっています。

それに対して、プラチナNISAは中高年層〜高齢者層における毎月の生活費をまかなう目的があることから、通常NISAでは対象外となっている毎月分配型の投資信託が対象になっているといった違いがあります。

それだけでなく、高配当株や一部のETF、不動産投資信託なども加わる見込みと言われており、年金だけでは生活費が不足するといった中高年層以上の生活を大きく変えることができる期待が持たれています。

最後に、利用できる金融機関の違いです。通常のNISAについては、ほぼ全ての証券会社や銀行で取り扱われているため、自分の好きな金融機関でNISAに取り組むことができるようになっています。

一方、プラチナNISAについては、投資経験がない中高年層以上に対するサポート体制を整えている一部の金融機関でのみ利用できる可能性があると言われているため、自由に口座を開設できない可能性があります。

プラチナNISAの制度の検討がより具体的に進み始めたら、利用できる金融機関についてもチェックしておくと良いでしょう。

 

プラチナNISAのリスクと注意事項

プラチナNISAで利用できるようになる毎月分配型の投資信託ですが、一見すると毎月お金が入ってくるというメリットが注目されがちではあるものの、この毎月分配型というのがリスクに直結することがありますので注意が必要です。

毎月分配型とは、文字通り毎月投資家に分配金を支払うことを目的とした投資信託のことを言いますが、「特別分配型」の場合は分配金を支払うために投資元本を切り崩すことがあります。

つまり、投資したお金をそのまま分配金という名目で受け取るようなこともあるということです。これでは、購入時の手数料分が無駄になってしまうリスクがありますし、長期投資における複利効果が全く効かないといったことにも繋がりかねません。

新しい制度を活用する意欲は重要ですが、従来の方法や現金預金などと照らし合わせた上で、自分に取って最適な資産形成手法を選ぶことを心がけてみてください。

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