【人生100年時代の資産形成術】未来に向けたお金の貯め方と活かし方

厚生労働省が発表している統計「平成29年簡易生命表」によると、2017年生まれの男性が95歳まで生きる確率は9.1%、女性は25.5%となっており、人生100年時代はまさに現実となってきました。
今後訪れる長寿社会においては老後の生活費だけでなく、自身の夢や趣味にかける費用なども、考慮した資産形成が求められます。
人生100年時代を豊かに過ごすための資産形成のポイントや、お金の使い方について解説します。
未来に向けた資産形成の具体的な方法
人生100年時代という言葉が広く認知されるようになった一方で、年金だけでは十分な生活が難しいと言われています。
2022年に厚生労働省が公開した「厚生年金保険・国民年金事業の概況」では、国民年金の受給金額(月額)は、平均5万5,373円、厚生年金の平均受給額は14万5,638円となっています。
これに対し、生命保険文化センターが2022年に公開した「家計調査年報」によると、老後(65歳以上)の生活費は、夫婦2人暮らしで26万8,508円、1人暮らしで15万5,495円でした。
このように公的年金だけでは安心といえないため、現役世代からの備えが必要です。
お金の不安をなくして老後を迎えるために、人生100年時代に備える資産形成法をみていきましょう。
NISAやiDeCoを活用する
税制優遇制度であるNISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)であれば、毎月一定額をインデックスファンドなどの投資信託や株式に積み立てることで、時間をかけてリスクを分散し、複利効果を活かすことができます。
投資利益に対してかかるはずの20.315%の税金が非課税になり、資産形成を一層効率的に進めることができます。
積立投資は時間を味方につけて、長期間にわたってコツコツと資産を増やすための有効な手段ですし、iDeCoなら掛金が全額所得控除となるため、税制面でのメリットも受けられます。
保険を資産形成の一環として考える
医療保険や介護保険、生命保険などは、万が一の事態に備えるだけでなく、貯蓄性のある商品を選ぶことで、資産形成にも役立てることができます。
これにより、リスクヘッジと資産形成を同時に行うことが可能です。
資産形成中のリスク管理
資産形成の過程では、リスク管理が非常に重要です。
市場の変動やインフレリスク・予期せぬ出来事など、資産が減少するリスクに備える方法を押さえておきましょう。
分散投資
一つの資産に集中投資するのではなく、株式・債券・不動産、そして現金など異なる資産クラスに分散して投資することがリスク軽減の基本です。
これにより、一部の資産が値下がりしたとしても、全体としての資産価値を守ることができます。
定期的な資産の見直し
資産形成の進行に応じて、定期的にポートフォリオの見直しを行うことが重要です。
市場環境の変化やライフステージの変化に合わせて、適切な資産配分を維持することで、リスクを適切に管理できます。
保険の見直し
ライフステージが変わると、必要な保険の種類や保障額も変わるため、定期的に保険の内容を見直し、自分の状況に合ったものに更新することが重要です。
これにより無駄な支出を抑えながら、リスクに備えることができます。
豊かな老後の資産活用術
資産形成だけでなく、その後の資産の使い方も人生100年時代では重要です。貯めた資産をどのように使うかで、老後の充実度がかわってくるでしょう。
ではどのようなことを意識するとよいでしょうか。
生活費を見直す
老後の生活費は、現役時代よりも抑えられる可能性がありますが、健康維持のための医療費や介護費用が増える可能性があります。
65歳までを現役で働くと仮定した場合、80歳までは15年ですが100歳までだと35年間ですから、リタイア後の生活期間はおよそ2.3倍になります。
そのため引退後も定期的に支出を見直し、必要な生活費を正確に把握することが大切です。
趣味や夢に投資する
長寿社会では老後の生活も長期にわたるため、趣味や新たな挑戦に投資することが精神的な豊かさを生む重要な要素となります。
例えば旅行や学び直し・ボランティア活動など、自分自身の充実感を高めるための活動にお金を使うことが、健康的で満足度の高い生活に繋がります。
次世代への資産移転
自分が築いた資産を、次世代にどう引き継ぐかも重要なテーマです。
相続や贈与を通じて家族に資産を有効に引き継ぐためには、早い段階から計画を立てておくことが必要です。
信託や保険を活用した相続対策を行うことで、税負担を抑えながら資産を円滑に移転することができます。
まとめ
人生100年時代における資産形成は、積立投資や税制優遇制度の活用を中心に、リスク許容度を考慮しながら、積み上げていく必要があります。
また老後に貯めた資産をどのように使うかも重要で、資産を守るだけでなく使うことにより、充実した晩年を過ごすことができるでしょう。
これらを総合的に考え、自分自身の未来に向けた資産形成を進めていきましょう。